技術革新とスキル

というわけで、「新しい機材が通常使用で壊れたのに、これが製造不良ではなく変速スキルと機材変更で防げた」理由を書きましょう。

  • 変速スキル

この現象が発生したのは14%の激坂。要するに相当なペダリングトルクがかかる場所になります。
後で壊した状況を聞くと、フロントギヤをアウターからインナーに変速した際に壊れたとの事。この区間に入る前も10%前後の坂があったのに、アウターのままだったということか・・。
彼氏のパワーはうらやましいけど、アウターローのギヤ比はインナーでもコグの選択で選ぶことが可能なんですよね。
この後もしばらく激坂が続くのはわかっていたはずなので、早めにフロントはインナーにして必要に応じてリアのギヤを選べば良いのですが、今までそれを意識しないままだったということでした。

  • 機材

乗っていたFP5は格安自転車によく使われるF社のコンポをクランク周りに、その他にはシマノの部品を採用していました。この機材も十分に使えるのですが、クランクがシマノ純正ではないので変速性能が多少落ちます。


最近のロード機材で進化を一番感じられるのはギヤ比が大きく変わるフロント変速なのですが、純正部品を使用していないことによってアウターローでたすきがけして伸びきったチェーンに、インナーへの変速を試みるために

1.FDが更にチェーンをインナーへ落とすべく負荷をかけたこと+
2.変速性能が劣る機材ですぐに変速しなかった+
3.激坂で通常以上のトルクがかかった

という3重の悪条件がRDを支えるエンド金具に与えられたことによって負荷に耐え切れずに捻じ切れた、というのが真相のようです。

技術革新によってロードの機材は進化し、以前よりも相当変速性能が向上しています。ダブルレバー時代はレバーを倒して変速を試みても踏むペダリングをやっている状態では変速しなかったのに、今では相当に踏み込んだ状態でも変速可能になっています。
そのせいで以前よりも無茶な負荷をかけて機材を破壊する例が増えているように思われます。
今回の件ももっと前から機材へやさしい乗り方を実行していれば変な負荷がエンド金具にかかることも無かっただろうし、機材が違っていればもしかすると今回の件は発生しなかったのかもしれないですね。



と、こんな感じで偉そうに書いてきたけど、現場ではそんな事は夢にも思わずにお店に戻って既に現物を持ち込んでいたFP5氏から聞いた状況確認と店長の分析を聞いて初めてわかった話。
こういう内容ってスキルのあるプロショップに行かないと聞けないと思うんですよね。普段から敷居の高さを感じてプロショップに行かずに買い物はネットメインで、練習仲間もネットで知り合っただけな人たちの多くは、同じ状況になったら製造不良を訴えてクレームすると思うけど、実際には自分のスキル不足や他の考慮不足に起因することに気づかない事があるんじゃないかな。
そういう意識が広がると色々なことが変わっていく・・かも。