その2

ある読み物で小説の神様とも呼ばれる志賀直哉に「自転車」という随筆があるのを知った。それによると神様は"殆ど自転車気違ひといってもいい程"乗り込んだらしい。初めての自転車は1895年、というから19世紀末。東京には市電も自動車もない時代。
そんな神様の自転車による素行集。

  • 最初は体に比べてフレームが大きかったけど、靴の下に下駄の歯のようなものをつけてまで乗っていた。← そんなことしたらどこか痛めそうだけど、若さゆえでしょうか(当時、中学生)。
  • 学習院に通っていたらしいので、目白辺りに住んでいたと思われる。そんなペダルに脚が届かない状態で江の島や千葉までのサイクリング、横浜の往復は日常の足、状態。 ← 当時の自転車の性能、道路状況を考えると、驚異的かも。
  • 新しい自転車が着いたと知ると、その度に仲間と見に出かけていった。 ← 今も新車を見つけると近寄ってくる人、いるよね← おいら(苦笑)
  • 坂登りが趣味で東京中の激坂を制覇しようとしていた。 ← いつの時代にも坂馬鹿はいるようです(笑)。
  • そんな坂登りの後で下る坂のほうがブレーキの性能的につらかったらしい。 ← ってウソだろ。いくら性能が劣っていてもゆっくり下れば問題ないだろう。ということは下りで攻めていたな。
  • 見知らぬ自転車乗りに会うと思わず勝負を挑んでしまう。 ← ああ、神様でも自転車乗りの性には抗えないようで、ホッとする。
  • 曲乗り師がウイリーしているのを見て、(恐らくギヤ比を落とす)改造を自分でやった。 ← まあメカいじりが好きなのも自転車乗りとしては一般的かと。

こんな感じで自転車馬鹿っぷりを随所に発揮していたらしい。
機会を見つけてこの「自転車」という随筆を読んでみるかね。